もし富士山が噴火したら、、、火山灰から家を守る方法とは!?

 

 

近い将来、噴火すると言われている“富士山”

富士山の噴火の周期は300年単位と言われており、いつ噴火してもおかしくない時期に来ていると言われています。

さくら色工務店のある東京都八王子市は火山灰の被害を受ける可能性がある地域です。

もし本当に火山灰が降り注ぐ事態に陥った時、対策は万全でしょうか?

どのように大切な我が家を守るか?また生活への支障を最小限に食い止めるか?それらを紹介するコラムはまだ多くはありません。

そこで今回は ”火山灰からどうやって我が家を守るか?” そこに焦点を当てていきたいと思います。

 

 

※このコラムは溶岩流や火砕流の被害を受けず、降灰のみの被害を受ける地域(10~30㎝程度が降り積もる地域)を想定しております。

 

 


目次

火山灰は灰ではない

必須アイテム

①窓

②外壁の水切り部分、通気口部分

③外壁通気部分

④コンセント、スイッチ

⑤分電盤

⑥天井点検口、床下収納

⑦給気口

⑧換気扇

⑨どうしても塞げない場所

⑩玄関の処置方法

⑪エアコンはほとんどの場合ふさがなくて大丈夫

⑫密封するだけでは酸欠の危険性あり

番外編:車の守りかた

まとめ


 

 

 

火山灰は灰ではない

灰と聞くと燃えカスの、あの灰をイメージしてしまいがちですが、実際は全くの別物です。

火山灰はマグマの破片のようなもので、その成分はガラスや鉱物、岩石です。

呼吸器系に悪影響を及ぼし、堆積して水分を含むと重量が増し交通網を麻痺させてしまいます、また電気を通す性質もあり、電子機器にも大敵です。

そんな厄介者の火山灰。一たび家の中に入り込んでしまうとその代償は非常に大きいものになるのは察するに余りあります。

そこで、どのように家の中に火山灰を入れないか、住宅の構造を知るさくら色工務店の独自の視点でご紹介してまいります!

 

 


 

※この方法は火山灰の侵入を防ぐことを最優先としており、それにより本来家が維持するべき性能や状態をある程度犠牲にする手法となっていることを、ご了承ください。

※モデルとするのは築30年以内の住宅とします。それ以前の住宅もある程度同じ対策をとることが出来ますが建物の気密性などの観点から古い家ほど対策が難しくなるため線引きをさせて頂きたいと思います。

※火山灰の性質によっては湿気を持つと通電する場合があります。本コラムの対策により漏電ブレーカーが落ちるなどの症状が発生した場合は直ちに対策を中止してください。


 

 

 

 

 

必須アイテム

写真の養生テープ、マスキングテープ使用してあらゆる箇所を塞いでいきます。養生テープは粘着力が色によって異なり、今回は比較的粘着力の強い緑色を主に外部に、弱いピンク色を内部等に使用します。

 

 

 

 

 

① 窓

外気を取り入れる代表格とも言える窓、まずはこの対策からです。窓は閉めても完璧な密封とならないケースが多いです。近年の高気密の窓も機械構造部から微量に空気の流入がある場合がございます。したがって写真のように四方をピッタリと塞ぎこみます。

(養生テープをはがす際に、窓枠の表面が剥がれる場合があるのでご注意ください)

 

 

窓の四方をしっかり塞ぎます

 

 

昔ながらのジャロジー窓はガラス同士の隙間から外気が入ってきますのでガラス全面を塞ぎましょう。

ジャロジー窓は隙間が多い窓です

 

前面を塞ぎましょう

 

 

 

②外壁の水切り部分、通気口部分

建物の床下に外気を取り入れる部分のためここもしっかりと塞いでいきましょう(高気密住宅の場合、床下に外気を流入させない仕様もあります、その場合塞ぐことは不要です)

 

 

 

 

 

③外壁通気部分

これは建物の構造によって存在しない場合もあります。有無は写真の箇所に隙間があるかどうかで判断できます。これは外壁の内部に風を通すための部分で壁内の湿気などを軽減するための空間です。室内とはつながっていないのですが微量な空気の流入があるのでしっかり塞ぎましょう。

 

 

 


④コンセント、スイッチ

意外と知られていないのですが、コンセントに手を近づけると風を感じるほど空気が流入している場合があります。使えなくはなってしまいますがしっかりここも塞ぎましょう。

※コンセントカバーの周囲からも空気が入るため周囲も塞ぐ必要があります。しかし養生テープでは強すぎて壁紙を大きく破損してしまうため、写真のようなマスキングテープで細く貼り付けましょう。(それでもわずかに剥がれてしまう部分については、火山灰を入れないことを最優先として割り切りましょう!)

 

 

 

 

 

⑤分電盤

分電盤は裏側で壁に穴を開けて配線を通しているため、すき間部分から風が入っている場合があります。周囲をテープで塞ぎましょう。

 

⑥天井点検口、床下収納

ここもコンセントと同様、空気が流入しています。同様に塞いでしまいましょう。

 

 

 

 


⑦給気口

室内に新鮮空気を取り入れるために各お部屋に設置されているものです(過去コラム参照)

閉じる機能が本体にある場合は”閉”へ、もしそのような機能がない場合は養生テープで塞いでいきましょう。

 

 

⑧換気扇

「⑫密封するだけでは酸欠の危険性あり」の通り、限定した範囲と時間で外気を取入れるようにしたいため、電気が使える状況でも換気扇は使用しない方が良いと考えます。もし換気扇を使用すると、塞ぎ切れていない隙間があった場合、そこから一気に火山灰が入り込んでしまう可能性があります。

写真に様に換気扇本体にカバーを、可能であれば外部のフードも塞ぎましょう。 

 

 

 

 

 

 

 

⑨どうしても塞げない場所

建物の仕様によっては写真に示す軒裏の通気口、及び屋根の頂上の換気棟が設置されている場合がございます。これらは天井裏、もしくは外壁内の空気を循環させるために設置してあるのですが、高い所であるが故、塞ぐことは困難です。この部分に関しては諦めましょう。

よって、天井裏や外壁内への火山灰の流入を止めることはできません。ただし人が生活する空間とは繋がってはいないため本コラムに示す各箇所をしっかり塞ぐことで生活空間への流入だけは防ぐようにしましょう。

 

 

⑩玄関の処置方法

玄関は出入りするため塞ぐことはできません。そこでビルの入り口にあるような”風除室”を設けましょう。ビルは風除室があることで屋内側に風が入るのを防いでくれています。風除室を再現するために、玄関を入ってすぐの所にビニールカーテンを垂らします。これにより靴脱ぎスペースが風除室の役割を果たしてくれます。ビニールカーテンはゴミ袋を養生テープでつなげて作成できます。火山灰のついた衣服を、この風除室で脱ぐなり叩くなりしてから室内に入るようにしましょう。

 

テープの貼れない壁紙は画鋲で留めます

 

 

 

 

 

 

⑪エアコンはほとんどの場合ふさがなくて大丈夫

エアコンは基本的に室内の空気を温めたり冷やしたりするので外気を取り入れません。よって室内機の吹き出し口を塞いだりする必要はありません。

また季節にもよりますが、エアコンを使用しないで済む気温であれば写真の様に室外機にカバーをして保護します。エアコンを使用しないと厳しい季節で、電気が使える状況であれば生命保持を第一と考え、火山灰の流入は覚悟のうえでカバーはせず、壊れるのを承知で稼働させるという考え方もあります。

※外気を取り入れるタイプのエアコンは室外機をビニール袋でカバーし火山灰の流入を防ぎましょう。

 

 

 

 

 

⑫密封するだけでは酸欠の危険性あり

ここまで火山灰を室内に入れないための徹底した外気の遮断をご紹介してまいりましたが、実際の所、外気の流入がなくなれば室内は酸素濃度が低下し酸欠状態になってしまいます。

そこで1~2ヶ所の窓は養生テープで塞がずに開閉できる状態としておきましょう。火山灰の飛散具合を見て、定期的に空気を入れ替える場所として確保しておきます。

この部分からの火山灰の流入は、やむを得ない部分として考えましょう。しかしながら、どこから入ったか分からない火山灰に手を焼くより、把握されている範囲内での流入であれば除去、清掃は圧倒的に簡素に済ませることが出来ます。

 

 

 

番外編:車の守りかた

火山灰で被害を受けるのは家に限らず、車もその対象となってしまいます。市販の車用カバーでは下部から火山灰が吹き込んでしまうため十分な対策をとることが出来ません。そこで養生テープとブルーシートを使って車を守りましょう!

市販のカバーでは防ぎきれません

 

 

 

写真のように車が止まる範囲に車の下半分を覆うことのできるサイズのブルーシートを敷きましょう。そのブルーシートに乗っかるように車を移動します。

 

 

 

ブルーシートをまくり上げ部分的に養生テープで固定します。次に上から被せるブルーシートにより本格的にブルーシート全体を固定するため、この段階ではテープは点付で大丈夫です。

 

 

 

車の上半分をブルーシートで覆い被せ、養生テープで重なり部分を貼り付けます。これにより風の巻き上げによる火山灰の流入も防ぐことが出来ます。

※ブルーシートは厚みが様々です。概ね薄手~超厚手まで6種類程度あります。耐久性が望める中厚、厚手、超厚手の使用をお勧めします。しかしながらいずれの種類も太陽光での劣化は避けられません。噴火の被害が長期にわたる場合は適宜ブルーシートを交換しょう。

 

まとめ

今回は火山灰からどうやって家を守るかをご紹介しました。今回取り上げた場所以外にも、建物ごとに固有の外気流入部分が存在する可能性があります。それらは根気よく特定していく必要があるかもしれませんが、本コラムで挙げた箇所を全て処置していれば短い時間で特定することができると思います。

本コラムを読んで頂いて、噴火の心配を少しでも和らげて頂けましたら幸いです!

 

 

 

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