「瑕疵(かし)」という言葉をご存じでしょうか?
瑕疵とは、キズや欠陥を意味し、〝住宅が備えるべき通常の機能、または契約で定められた機能が果たせないような欠陥や不具合″を意味します。具体的には、雨漏り、建物のひび割れや建物の構造上の欠陥、また、シロアリ被害やアスベストの残存など、さまざまなものが挙げられます。
このような瑕疵住宅からリフォームをしたお客様(以下:発注者)を守るために、瑕疵保険という制度があります。
安心してリフォームを行うために知っておきたい「リフォーム瑕疵保険」について、詳しく解説していきます!
|リフォーム瑕疵保険の仕組みとは?
リフォーム瑕疵保険とは、万が一工事に欠陥があった場合に、保険法人からリフォーム事業者(以下、事業者)に支払われる保険金(補修費用等)によって、発注者を保護するという保険です。
ポイント1.保険加入の手続きは事業者が行う
加入に関する面倒な手続きは、リフォーム事業者がすべて行います。
ポイント2.保険料の支払いは、事業者によって対応が異なる
保険料の支払いについては、その事業者によってケースバイケースです。事業者負担なのか発注者負担なのか、はたまたその工事の施工内容によってどちらが負担するかを決める事業者もありますので、事前にしっかり確認しておきましょう。
|リフォーム瑕疵保険に加入義務はあるのか?
結論から申しますと、加入は任意です。
新築住宅の場合には、構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分について10年間の瑕疵担保責任を負う義務が法律によって定められていますが、リフォームについては、事業者の瑕疵保険への加入は義務付けられていません。
さくら色工務店では、(株)日本住宅保証検査機構(通称:JIO)に事業者登録しております!
(リフォーム瑕疵保険は、国土交通大臣が指定した住宅専門の保険会社(住宅瑕疵担保責任保険法人)が引き受けています。現在は、(株)住宅あんしん保証、住宅保証機構(株)、(株)日本住宅保証検査機構、ハウスプラス住宅保証(株)、(株)ハウスジーメンの5法人が指定されており、リフォーム事業者はこの中から自由に選択して保険契約を締結します)
|リフォーム瑕疵保険に加入している事業者を選ぶメリットとは?
・無償で補修してもらえる
リフォーム工事を実施した後で工事に欠陥が見つかった場合、その補修費用等は、保険法人から事業者に支払われる保険金でまかなうことができるため、発注者の方は無償で直してもらうことができます。
・事業者が倒産した場合にも保証を受けられる
工事の欠陥が発覚し、リフォーム施工業者に連絡を取ろうにもその業者は倒産してしまった…
・建築士の資格を持った検査員による現場検査が行われる
建築士の資格を持った第三者検査員による厳密な現場検査が行われ、合格となった時点で初めて保証書が発行されます。
これにより質の高い施工が確保され、瑕疵住宅になってしまうリスクを未然に防ぐことができます。
現場検査は工事完了後に実施されます(すべてのリフォーム工事に適用)。また、工事をする部分や条件によっては工事の途中でも検査を実施する場合があります。
・リフォーム工事を実施した全部分が保険の対象となる
リフォーム工事を実施した全部分が保険の対象となりますので、事業者に「その部分は対象外なので…」などと言われてしまうことはありません。
もちろん建物の既存の部分は保険適用にはなりませんので、どの部分が補償対象となるか、リフォーム事業者としっかりと共通認識を持っておくことが大切です。
・保険法人の審査をクリアした、信頼できる事業者であること
リフォーム瑕疵保険は、どんな事業者でも登録することができるわけではありません。登録には保険法人の審査があり、その基準を満たすことが必要になります。どの事業者が登録しているのか知りたい場合には、各保険法人のホームページなどでも登録事業者の情報が公開されていますので、参考になさってみて下さい。
|保険期間はどれくらい?
〈構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分〉…5年
工事例)・屋根裏をロフト空間へ(床板等の新設)
・間口部を拡大(柱の移動や梁の補強)
・2階に1部屋を増床(柱、梁、屋根、壁等の新設)
〈構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分以外の工事部分〉…1年
工事例)・水廻り丸ごとリフォーム(内装、設備)
・和室から洋室へ
・マンション(専有部分)内装のフルリフォーム
〈基礎部分から新設する増改築(特約)〉…10年
|リフォーム瑕疵保険にデメリットはある?
・保険料を支払わなければいけない場合もある
保険料の支払いについての項目でも解説しましたが、事業者と発注者のどちらが保険料を負担するかは事業者によって異なります。一般的には発注者負担のケースが多いようですが、事前に確認しておきましょう。
(保険料の目安:35,000~200,000円)
・工期が延びてしまう
検査員による検査が実施されるため、どうしても工期が長引いてしまうことが予想されます。特に屋根工事などの場合は、悪天候の日には検査を実施できないため、工期が大幅に延びてしまうことも珍しくありません。
・保険期間の短さに不安を感じる場合も新築住宅における瑕疵保険の保険期間は10年のため、それに比べると、リフォーム瑕疵保険の保険期間はずいぶん短いと思われるかもしれません(保険期間はどれくらい? の項目参照)。
これは、すべてが新品の新築住宅と違い、既に年数の経過している建物への工事の保証という点で致し方ない部分と言えます。
まとめ
保険のこと、住まいのこと、どうぞお気軽にさくら色工務店までお問い合わせ下さい♪